卒業生インタビュー

インタビュー:卒業生の活躍

「BE ACTIVE」新たな挑戦、改革  私たちは「動」く会社であり続けたい

小貫 成彦 氏(57回/クリヤマホールディングス株式会社 代表取締役CEO社長執行役員)
略歴 1966年神戸市生まれ。兵庫県立東灘高等学校卒業。1991年3月本学経済学部卒業。同年4月クリヤマ(株)入社。2022年8月クリヤマホールディングス(株)代表取締役CEO社長執行役員就任。クリヤマホールディングスは、北米・欧州・南米を拠点にホースメーカーとしてグローバル展開を加速させる一方、国内では建機・農機メーカーのTier1サプライヤー、商業施設やスポーツ施設の総合床材メーカー、スポーツアパレルの販売と多角的に事業を展開。資本金7億8371万円。東証スタンダード市場上場。

充実した学生時代と、人生を分けた就職活動

浅田真央さんのCMでおなじみの「クリヤマホールディングス株式会社」本社に、小貫社長をお訪ねしました。小、中、高はサッカーに打ち込まれる毎日だったそうです。「大学では良き友人に恵まれ、その交流の中で人間としての視野を広げることができました。また、関西一円の学校が参加するサークルに所属し、テニスや野外活動を楽しみました。そこで経験した多彩な仲間との交流は、私の人間形成にとって大きなプラスとなりました」。
大学最後の試験が終わった後に、高校、本学と共に学んだ友人と1ヶ月半のアメリカ冒険旅行に出発されました。「ところが、帰国すると1科目不可で留年という悪夢のような現実が待ち受けていました。内定が決まっていた会社からは、取り消さないので入社するよう勧めていただきましたが、中途半端なことはしたくないのでお断りしました」。
「1年後、卒業も決まり周りの方の紹介で内定を頂いていましたがやはり、一から自分の力で就職先を決めたいとの思いが強くなり、2月に就職課へ行きました。課長の小池さんが『午前中に、クリヤマさんという会社が来年の就職依頼に来られたが、君の希望通りの会社でした』とおっしゃるので、すぐに電話をして下さいとお願いしました。クリヤマの人事担当者からは『今年の受付けは締め切りました』との返事でしたが、電話を代わっていただき猛烈に自己アピールをしたところ『明日、来られるか』との答えが返ってきました。次の日訪問し、再度熱弁を振るったところ『来月の最終面接に来なさい』と言われました」。何と、最終面接は1週間後で、見事合格されました。

苦境を乗り越え、力強い会社へ導く

「入社時の部長さんは後の3代目社長になられた方で、目をかけていただきましたが、決して温情で人事をされない方でした。私は同期の中でも課長になったのは遅い方で、後輩にも抜かれていきました。『認められる為には結果を出しなさい』と、よく言われました。2007年に、当時普及し始めた人工芝部門の新設課長に就任しましたが、財閥系の会社相手に大苦戦でした。本学グランドの受注競争で敗北したことは、今も忘れられない苦い思い出です。入社以来22年間スポーツ関係の部署におりましたが、2013年に建設資材営業部長に就任しました。畑違いの部署でしたが、翌年にV字回復を成し遂げました。そのすぐ後に、私を導いてくださった恩人は亡くなられましたが、最後に恩返しができました」。
この取材は、8月7日に行いましたが「実は、明日で就任後1年になります」と言われたので、この1年で取り組まれたことをお聞きしました。「当社は海外での事業展開を幅広く行っていますが、海外出向者の年齢が高くなる傾向にあります。若い方が海外勤務を嫌うという思い込みも原因の一つだと考え、アンケートを取ってみました」。すると積極的に手を上げる社員が多数おられたそうです。「そのような社員の本気度を確かめる為に、直接会って話す場を設けました。来年には、グローバルにチャレンジできる人事制度を立ち上げます」。それ以外にも、若い社員とコミュニケーションを取ることを大切にしておられ「何回かの座談会で『どうしたら社長になれますか』と、複数の社員に質問されました。ビックリしましたが、とても嬉しかったです」。専門性を高めたいと望む社員や、より高みを目指す社員の為の教育、研修に力を入れたいと力説されました。ホームページにある経営理念の中に「社員の豊かな生活を築き、家族ぐるみで愛される会社」とあります。「インフレ手当ては、アルバイト社員にも支給しました」。小貫社長は「大きくするより、力強い会社にしたい」と言い切られました。

在学生のみなさんへ

最後に在学生へのアドバイスをお願いしました。「学生時代は時間に余裕があります。色々なことに興味を持ってチャレンジしてください。そこで得たものは今後の人生にとって大きなプラスになると思います」。また、ご自身の経験から「海外に飛び出してください。きっと素晴らしい出来事が待っています」。その体験は社会に出た時に必ず役立つとも言われました。
(聞き手=広報部部長・田中伸治、広報部・河内龍澈)

 

こちらは 同窓会誌「澱江59号」掲載の記事です

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