インタビュー:卒業生の活躍
社会に役立つ存在で あり続けるためのその先へ
大西 誠 氏(株式会社アテクト 代表取締役社長・51回)
大阪府出身、1985年、本学経済学部卒。同年4月東プラ入社。2004年5月アァルピィ東プラ(株)射出事業部関西営業部部長。2014年4月同社モールドシステム事業部事業部長。同年6月同社取締役モールドシステム事業部事業部長。2019年4月竜舞プラスチック(株)代表取締役社長。2022年6月(株)アテクト代表取締役社長就任。(株)アテクトは、東証スタンダード上場。
本学への入学、同好会やゼミとの出会い
私が大阪経済大学へ入学したきっかけは、文系大学の中では珍しく一般入試の選択科目に数学があったこと。高校時代、文系選択だったのですが数学と言いますか算数はどちらかと言えば好きな科目で躊躇なく入学試験では数学を選択しました。
もちろん、他にも志望大学はあったけれども「数学(と言いますか算数)」が私と大阪経済大学との「縁」だったのかもしれません。
学生時代はアルバイトもよくしましたが、「科学研究会」という同好会に所属し、一般教養課程の宇宙物理学担当教授の久保田先生を顧問にいただき、当時は天文班とマイコン班から構成されており、天文班は天体観測をマイコン班は大阪大学の電算機器を時間貸しで借り軌道計算をしたりしていました。私はマイコン班に所属しプログラミングもままならない落ちこぼれでしたが熱心にパソコンゲームに勤しんでおりました。久保田先生は京都大学の先生でもありましたが、とても気さくな先生で機会を見つけては科学研究会の皆と一緒に飲んだりしました。先生は「君たちと話をしていると、私が想像もしない答えが返ってくる。」とよく言われたことが今でも印象に残っています。ゼミは「民法」の門坂先生で卒業後は法律系の仕事に進みたくも考えましたが挫折し、アルバイトでの経験から判断し、製造業の入社試験を10社受けましたが、最初に合格を頂いた東プラ(東洋プラスチック)株式会社に入社しました。
お客様のニーズに合わせた営業、様々な経験を経て社長へ
プラスチックと名はついているものの素材は多種多様でルート型販売の営業でしたが、お客様のニーズ(品質、コスト、納期、別注対応)にあわせた物づくりのため、生産管理も勉強したうえでの営業に特化しました。その後、時を経て事業部長、取締役、グループ会社の社長を経験し、2022年6月(株)アテクトの社長に就任しました。
(株)アテクトは半導体資材事業、衛生検査器材事業、PIM(パウダーインジェクション・モールディング)事業、および地の利を活かした不動産事業の4事業体制を柱としています。半導体資材事業は、情報電子機器のスペーサーテープを中心にお客様の様々なご要望に添う部品保護用品を開発・製造。特許取得品も多数ラインナップし高集積化、微細加工化が進む電子部品の信頼性、安全性を支えています。衛生検査器材事業は、主に食品及び医薬品製造企業における安全基準の検査上使用するシャーレ、培地などの微生物検査器材を国内の多くのお客様へ直販しており、近年はがん検査用シャーレなど医療検査の一翼を担う分野にも事業分野を広げさせていただいています。
PIM事業は金属やセラミックスの粉末を射出形成により、従来の加工方法では不可能であった形状や材質を形にする当社独自のPIM技術の確立に成功し、自動車関連分野や半導体関連設備分野、産業機器機構部品分野等の成長分野に進出拡大させつつあります。また当社では持続可能でよりよい世界を目指す17の国際目標(SDGs)の実現に向け、具体的かつ本格的な取り組みを行って参ります。
学生の皆さんへ
これからの長い人生において私が思ったことは人とのつながり(人脈)です。今まで多くの人と出会い、色々なことを教えてもらい、また勉強もしてきました。そのことが自分自身の「縁」と「運」につながっているかもしれません。人と接する時は人としての最低限の礼節を守ることは当然のことで、また人の数だけ感受性や哲学があるのだとの思いで、それぞれの人との多様なコミュニケーションという名の感性を磨きながらの4年間を大切に過ごされることを望みます。
そしていずれ社会に出られてからも学びは続きます。ビジネスの世界で生きていくことは日々勉強なのだと思います。(聞き手=広報部・田島裕司)
こちらは 同窓会誌「澱江58号」掲載の記事です
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