卒業生インタビュー

インタビュー:卒業生の活躍

わが町を活性化させる 鉄人プロジェクト

正岡 健二 氏(大樟会神戸支部長・36回卒業)
1947年神戸市長田区生まれ。1971年本学経営学部卒業後、母の実家の有限会社マルヨネに入社。
1980年代より事業の傍ら地域振興並びに商店街活性化に取り組み、まちづくりや音楽を通じた豊かな社会づくりに尽力する。現在、有限会社マルヨネ専務、株式会社神戸ながたTMO取締役、長田区活性化研究会会長、長田区文化倶楽部事務局長、ほたる火コンサート協会代表など。NPO法人KOBE鉄人PROJECT前理事長。

阪神大震災からの迅速な立て直し

1995年1月17日、未曾有の阪神淡路大震災が発生、神戸市内は甚大な被害を受け、とりわけ新長田地域は壊滅的な被害を被り、焦土と化しました。

13日後に商店街関係者と地域住民合同で、仮設住宅の建設計画を市に打診、29日後に震災復興まちづくり協議会を結成。134日後には入居が開始。全国初の2階建て仮設住宅122戸が完成、市に移譲しました。144日後の6月10日には仮設店舗の復興元気村「パラール」をオープン。ダイエーを含め100店舗が入店、1999年11月までの5年間営業しました。

震災直後から迅速に対応出来たのも震災以前からまちづくり計画を推進し、復興はその延長線上であったとのことです。地域商業活性化と地域振興を模索する中で、もっとインパクトのある拠点づくりが必要であると感じ、新長田界隈で青春時代を過ごし、「魔法使いサリー」「伊賀の影丸」「三国志」など数多くの著書がある漫画界の巨匠横山光輝氏の代表作「鉄人28号」のモニュメント建設を計画しました。2006年に発起人会発足、事務局設置、モニュメント建設募金を開始、翌年9月、NPO法人が認証を受け、2009年10月竣工を迎えることになりました。総工費1億3500万円、全長15.3m、体重50トン、最大級のモニュメントの完成です。

「人が集い、交流する、賑わいあるまち」を基本方針に鉄人28号は2016年に塗り替え工事を終え、個性的な集客施設として地域に親しまれ、2028年には鉄人のある公園に神戸・西市民病院の移転も予定されております。なお、モニュメントの完成に至るまでには資金調達はじめ県や市との交渉等、人・物・金に関わるさまざまな難題を乗り越えていきました。

大学での大切な学び

事業を推進する上で必要な「人と人との関わりの大切さ」そして「物事の本質を見抜く力を持て」と教わったのは大学時代であります。ゼミ教授で商業学の有名な竹林祐吉先生を恩師として慕い、卒業後亡くなるまで教えを受けましたが、今の自分があるのは先生のお陰であると熱く語っておられます。

大学時代から音楽や茶道にも精進し、当時出会った恩師と言える存在の方は今もご健在です。大学の4年間は考え方のベースを身につけるとともに、「自分の師匠を見つける」クラブやスポーツであれば、「良き先輩を見つける」絶好の場所であると、また、「積極的に同窓会に参加して新たな出会いや発見をするのも良いでしょう」とアドバイスいただきました。

今はコロナ禍で行事が自粛され、自宅にいる時間が多くなっていますが、自身のモットーは行動力で、動き回れなくなったら終わりと、これからも鉄人とともに力を合わせて前に進んでいきたいと意気込みを見せておられました。
(聞き手=広報部・天野康弘、田島裕司)

こちらは 同窓会誌「澱江57号」掲載の記事です

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