インタビュー:卒業生の活躍
経理、営業、投資もこなすオールラウンダー 志を掲げNPO活動の一歩を踏み出す
岡村 志穂 氏(外資系総合商社 経理チーム所属/NPO法人「321プロジェクト」代表・72回卒業)
京都市出身。2006年、本学経営学部卒業。同年、老舗不動産会社に就職し、経理を担当。副業として、個人で開発した調味料(ソース)が2015年度モンドセレクション銀賞に輝く。2017年、ベンチャー不動産会社に転職、営業を担当。2020年、外資系総合商社入社、経理部署勤務の傍ら名古屋商科大学大学院で学ぶ。2021年、東京藝術大学・秋元雄史名誉教授を招へいしネットイベント「321プロジェクト」を開催。2022年1月、NPO法人「321プロジェクト」設立。
外資商社の経理から投資、ベンチャー営業職
現在、東京都港区の外資商社で、グループ複数社の経理を担当。また経済的弱者の自立をサポートするNPO法人を、このほど立ち上げました。
最初の就職先は、旧財閥系企業の資産管理を行う不動産会社。11年間、経理業務に従事し「お金持ちの思考・行動パターン」を学びました。勤務しながら宅地建物取引士をはじめとした国家資格を取得し、空き時間にはアルバイトも。体調を崩し「お金も大事だけど、健康はもっと大事」だと気づきました。
これを転機に、自分が動かなくても稼げるシステムを作ればいい、と投資不動産を購入。また働く女性支援のため、時短・健康・国産野菜にこだわった「とかす・まぜる・かける」だけで、パスタやスープなどの料理ができ上がる調味料(ソース)を開発し、国際的な品質認定機関「モンドセレクション」の銀賞を受賞。表彰式で訪れたポルトガルで、現地の人とのコミュニケーションに自身の拙さを感じたことで、興味を世界へと広げます。語学を学ぶためにフィリピンに留学し、ここでも投資不動産を購入しました。
一方、営業経験を積もうと、大阪の不動産ベンチャーに転職します。経理と対極にある営業部署の風土にとまどい、当初は泣きながら帰る毎日……。ですが2週間で投資用不動産の契約が取れ、営業能力を開花させます。入社3カ月後に東京支店の立ち上げメンバーに任命され、順調に売上を伸ばしました。
MBAの取得、新たな試みのプロジェクト
その後、結婚退職し、個人事業主として営業を請負い、ラグビーW杯2019のボランティアに参加するほか、多摩市生涯学習策定推進委員も経験。そしてコロナ禍の直前、現在の仕事に従事。
経理部署で国内外を相手に勝負するため、MBA(経営学修士号)を取得すべく、大学院に入学。コロナ禍のもと、起業家ゼミの実践活動として、オンラインイベントを開催します。アートプロデューサーの秋元雄史氏(東京藝術大学名誉教授)に直接交渉し、クラウドファンディングで参加者を募集、対話やアート制作を行う「321プロジェクト」と題したイベントを実施しました。参加者は「後払体感価格」として、自分の感じた価値を後払いする仕組みです。この方法で、児童福祉施設の子どもたちにヘリコプター周遊体験もプレゼントしました。
こうした活動の延長として、NPO法人「321プロジェクト」を設立。経済的弱者の再生サポートサービスである「リセットハウス」を運営する計画です。「やり直したい人に、そのチカラを育んでもらうのが目的です。自身と同じ境遇である母子家庭の親子に、もっとお金の勉強をしてほしい」とのこと。
在学生の皆さんへ
最後に、在学生へのメッセージをいただきました。
「学生時代は、多くのことに挑戦してください。クラブやサークルで人間関係を学ぶのもいいし、就職活動に向けて自分と他の学生を差別化する手段を考えてみるのも大切です。私は日商簿記1級を猛ダッシュで取得し、就活の武器にしました。先日、大樟会の東京支部総会に参加しました。そこには大勢の素敵な先輩との出会いがありました。ぜひ、皆さんも卒業後は大樟会の活動に参加してほしいですね」。
(聞き手=広報部副部長・西村幸雄)
こちらは 同窓会誌「澱江57号」掲載の記事です
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