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互例会 理事長・学長 ご挨拶

2023年1月5日(木)

2023年 理事長 新年互礼会挨拶

新年明けましておめでとうございます。皆様挙って良い年を迎えられたことと存じます。

さて、昨年は、皆様のおかげをもちまして、無事創立90周年を迎えることができました。また11月3日には記念式典を挙行することができ、改めて皆様のご協力に感謝申し上げます。90年の長きに渡り大学が継続して、いささかなりとも世の中のお役に立ててきたことは、偏に創立者の黒正先生や菅野先生を始め、先輩方のご努力、ご尽力の賜の他ありません。ここに改めて教職員の皆様と共に深甚なる敬意を表したいと思います。

また、収容定員増加の申請については、6月には無事認可をいただき、完成年度を迎える2026年度には4学部で7440人の学生を迎え入れる体制を取ることができました。これによって、経営面からも、ようやく安定した学費収入を確保することができ、100周年に向けての思い切った施策を検討する素地ができたこととなります。

さらに、この3月には、本学5つ目の学部を設置するための認可申請を、現在、急ピッチで仕上げ、申請書類を作成している段階です。この5つ目の「国際共創学部」ができた暁には、7920名の学生を受け入れる大学となり、今まで以上に活気のあるキャンパスになることを期待しています。そのため、国際共創学部設置準備委員会を中心に、最後の追い込みをかけ申請書を作成していますので、皆様のご協力をお願いいたします。

一方、法人的な側面で言うと、大学のガバナンスの在り方が大きく変わる年になる可能性があります。法制化は見送られましたが、ガバナンス改革に関する問題は大筋まとめられて、今後の学校法人運営に大きな変更をもたらす可能性も示唆されています。特に今年は3年に一度の役員改選の年でもあります。今後の流れに注目をしながら、ぜひ皆さんの知恵を振り絞って、様々な工夫を凝らして考えていただきたいと思います。

世界は今、パンデミックの脅威にさらされています。私たちは「新しい日常」の確立を期待されていると同時に、こうした人間の生存と尊厳を脅かす問題に向き合い、これを解決する仕組み・思想・知恵を生み出すという、教育・研究に対して重大な役割を担っています。しかし、大学においては何をおいても、大学のど真ん中にいるのは学生です。大学を社会に出るための助走期間ととらえるならば、自分を見つめ、自分を創る場としての環境と、幅広い知識と教養、豊かな感性や人間性を備えることができるような教育を、最大限に提供していくことが本学の使命であります。就任より申し上げているバイタリティにあふれ、センシティビティ豊かな学生を育成することが肝要です。

これからも大阪経済大学が、未来予測が困難な社会に於いて、世の中の皆様から愛され、信頼される大学となるため、教職員一丸となって努力し続けていけるよう、そして教職員の皆様が、学生に対して温かい気持ち、優しい心で接していただくことをお願いし、新年の挨拶といたします。ありがとうございました。

 

2023年 学長 新年互礼会挨拶

 新年あけましておめでとうございます。年末年始ゆっくり身体を休めることはできたでしょうか?私も年末年始は故郷に帰省して、デジタルデトックスしてきました。外界からの情報をいったん遮断すると不安な気持ちになると同時に、知らなくていい情報にいかに自分の思考が囚われているのかあらためて実感したところです

さて、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』と同じタイトルで、スタジオジブリの宮崎駿監督が今年7月に映画を公開するニュースが話題となっていますが、年末年始にあらためて「どう生きるか」について考える機会がありました。私事で恐縮ですが、私の兄は小豆島で古民家カフェを経営しているのですが、そこで年末に例年行っている餅つき行事に私も参加しました。そこには、島に移住してきた30代から40代の家族が50名ほど集まっていました。その方々の生業をお聞きしますと、獣害を防ぐために駆除された鹿の皮を使ってバッグや小物を作って販売する人や、海洋ごみを減らす活動をするためにNPOを立ち上げた人、自分がお勧めしたい本屋を新たに立ち上げた人、ヨガの講師をやりながら自給自足の生活を楽しむ人、養蜂と養鶏を営む人など様々でした。ただ共通しているのは、大半の人が大学を卒業後、会社勤めを経て、脱サラし、モノの豊かさよりも心の豊かさを求めて小豆島に移住してきたということです。

これらの皆さんは金銭的価値よりも倫理的、道徳的価値を重視した、サステナブル、環境保全、オーガニック、伝統を大切にするといったことを意識しながら、身の丈にあった生活を楽しむというライフスタイルを実践しています。一言でいえば、「エシカル消費」を意識した生活といえます。

一見すると、不安定な生活で、非効率な経済活動を行っており、主たる経済活動から外れたように感じますが、このようなライフスタイルこそが、大量生産、大量消費の時代が終わった次の時代の定常化した社会における生き方ではないだろうかとあらためて考えさせられました。

では、大阪経済大学で学生たちが学ぶ経済とはどのような経済でしょうか。大企業で働き、安定して多くの収入を得たい。最低限暮らしていける給料があれば、社会貢献を主とした職に就きたい。世界を放浪して、様々な文化を体験したい。自分が持っているアイデアを形にして会社を起こしたい。地方で農業をしながら里山を復活させたい。このように、学生が将来に望む経済活動も多様化しています。学生と対峙するときに、私たちは、一人一人の学生の想いに応えてあげる教育、研究サービスを提供できているでしょうか。学生の思いに対して十分に対応できるために、すぐに役だつ実践的な知識、技術から、すぐに役に立たなくとも、30年後に活きる理論、研究、哲学的思考まで、さらなる学生に寄り添った多様なカリキュラムを構築し、実践していくことが、経済大学としての役割であり、本学が社会に必要とされる道であると私は考えております。

2023年は、以上のような社会の変化に対応した第2次中期計画の検討が大きな取り組みの一つになると考えております。もちろん、国際共創学部の申請、設置準備や認証評価受審の準備は最重要課題となります。また、ウィズコロナにおける社会実践ビジョンにおける施策の推進、教員の研究成果のさらなる発信、PBL型ゼミ活動の促進、国際交流活動の強化など、課題は山積しております。これらに対して一つ一つ着実に取り組んでいく所存ですが、皆様方におかれましても、ご理解、ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします。

 最後に2023年が皆様にとって健康で幸多い年となりますことを心より願って、年頭の挨拶に代えさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。