2019
 
2019年度
寄稿原稿特集

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「鈴木亨先生百壽お祝い」

 

 この度元本学理事長兼学長の鈴木亨先生が7月22日で満100歳をお迎えになられました。

 8月25日に長岡京市にあるご自宅にお祝いの記念品(金の漆の夫婦箸)とメロンをお持ちし、お祝いの言葉を申し上げました。先生はご承知の様に京都大学で西田哲学を継承され「存在者逆接空」なる根本原理を提唱された日本を代表する哲学者でございます。

 小生は昭和45年から2年間経済哲学のゼミナールで先生の薫陶を受けました。当時は70年安保華やかなりし時で非常事態の中、先生はキルケゴールにおける実存哲学とマルクスの弁証法的唯物論の双方に真理性があると提唱され、これを統合された世界観「響存的世界」を彼らに得々と諭されておられた姿を思い出します。小生はカトリックの立場で先生のお考えに深い感銘を受け、結婚の相談等公私にわたり生涯の師と仰いでまいりました。現在、学生時代に置き忘れた「人生の課題」を探求すべく明治大学大学院で西田哲学を始めハイデガーを学んでおります。

 今回のお祝いは今春「宗教哲学会」で先生の理論『鈴木亨の「存在者逆接空」の哲学とその構造―「行為の哲学」の構築の可能性』を発表された喜多源典氏(関西大学講師)と鈴木ゼミの柳橋和夫氏が同行されました。

楠 啓次郎(38回)
(元株式会社きんでん理事、国際事業本部長)

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左から柳橋、楠、鈴木亨先生、喜多先生