2005
 
2005年度
寄稿原稿特集

下記記事一覧をクリックすると表示いたします。

感動した故・松本剛教授の十三回忌法要を終えて

二部会計学研究部OB会

 去る6月11〜12日、有志18名が1泊2日で、貸し切りバスで鳥取県三朝温泉へ向かいました。

 初日はOB会総会を開き松本教授が1961年会計学研究部顧問に就任された時から逝去された1993年までの32年間を回顧し、教授の業績や楽しい思い出を語り合い教授を偲ぶことができました。

 また、大学創立70周年記念の寄付金は参加者全員の賛同を得て、即刻10万円が集まりました。些細ながらOB会として大学に寄付することができました。

 翌12日は島根県の美保関に移動して、恩師松本教授の13回忌追善法要をOB会だけでお勤めしました。

 追善法要は筆者浄土宗僧侶の読経で始まり、墓前で参加者一人一人が松本教授に思い出や、感謝の言葉を捧げることができ、各人にとっては感動の追善供養となりました。故人もお聴になられていると信じております。

 松本教授は大阪経済大学で立派な業績を残されながらも58歳というあまりに早い他界は残念でした。

 松本教授は誰も書かなかった、侵略者としての日本が中国からおびただしい数の図書を押収して日本へ運び、現地でも焼却するなど、中国の文化を破壊してきたという本を書かれました。

 著書には昨今、問題になっている歴史文化の理解のない日本が浮き彫りにされております。

 松本剛著『侵略と文化 戦争と図書』(岩波書店)は1993年5月刊行されました。

 発刊された時、松本教授は大変喜ばれ、病床で贈呈するための宛名書きをされるほどでした。

 松本剛教授が逝去される直前の5日間、同年6月13日付けの、朝日新聞「天声人語」で本書が掲載され、高く評価されました。

 死の直前まで頑張られた偉大な私たちの恩師松本剛教授です。

 また、松本教授と神戸商科大学時代下宿を共にされ、教授と無二の親交のあった、現経済評論家としてご活躍の内橋克人氏が『世界』(岩波書店刊)2004年8月号で連載「荒野渺茫」において、遺書本の松本剛著『侵略と文化 戦争と図書』を紹介しておられます。

 内橋克人氏は松本教授の墓が建立された1995年3回忌の時に、松本剛著『侵略と文化 戦争と図書』を持参されて墓前にお供えされたことなど松本教授との思い出も詳細に書かれておられます。

会長 小山由彦(29回)